カラーマネージメントをどの工程で行うかは、何種類かの選択肢があるため、CMS設定の容易さや画像処理速度に関しては、一般的にはデジタルプルーフを行うまでに完了することが望ましいといえますが、それでもパソコン側(OSやアプリケーション)で行うことが困難なことがあり、その場合には出力側(サーバやRIP)で行うことが良いでしょう。
下図に示す通り、デジタルカメラやスキャナなどの入力装置から入力されたデータにインプットプロファイルを埋め込み、それをモニタプロファイルで確認・編集することによってアウトプットプロファイルを生成します。その後で、パソコンで編集したデータの印刷結果を検証するために、ドキュメントとデータのソースプロファイルとして印刷プロファイルを指定して、デスティネーションプロファイルを導き出しています。
この方法は、一般的なCMSの流れですが、基本せ理解していれば、どのプロセスでCMSを行う場合でも特に問題となることはありません。しかし、RIP (Raster Image Processor) などの出力側でCMSを行う場合には、RIP側に色管理を任せることも可能です。その1つの方法として、デバイスリンクプロファイルの利用と独自の色補正機能を有することが考えられます。ただし、RIPを使用する場合には、カラーマネージメントの「二重掛け」に注意しましょう。
近年、従来のカラーマネーメントだけでは、現実に発生する問題を解決するには不十分であることがわかり、トータルイメージクリエーション(TIC)の導入が図られつつあります。これによって、管理から創造への移行が図られ、イメージの世界が大きく広がることが期待されています。
視覚のメカニズムのおもな作用は、見えモデルの三要素が、「光源」(光)、「物体」(反射または透過)および「眼」(視覚)によって知覚されることを意味しています。
つまり、これは下図に示したように、りんご(物体)が太陽光(光源)によって照射され、その反射光が眼に入り、RGBのセンサ(眼の網膜に配置)で反応し、視神経を経由して脳で知覚されることによって、初めて色として弁別されるようになります。
もし物体が透明なら、透過光となりますが、いずれの場合も同じメカニズムで色を感知することができます。
そもそも、視覚とは、眼(目)とそれにつながる神経系の働きによって得られる、外界の色、形やその変化についての映像情報と、それをもとにして構築される外界の空間的な認識や、この情報を得るための機能、能力のことをいいます。眼は感覚器と呼ばれる器官の1つであり、脊椎動物(ヒトを含む)、節足動物(昆虫、甲殻類)、軟体動物(タコ、イカ)などが持っている感覚であると言われています。